押さえておきたい給与の「前払い」と「前借り」の違い

近年、福利厚生として給与前払いを導入する企業が増えたことで、「前払い」という言葉を耳にする機会が増えてきました。労働者からのニーズが高い前払いは、新しい給与支払いの選択肢として、今後も導入企業が増加すると考えられます。

そんな「前払い」とよく似た言葉に、給与の「前借り」があります。前借りに対して好ましくないイメージを抱く方が多いですが、前払いと前借りは異なるものです。今回は、少しややこしい前払いと前借りの違いについてお伝えします。

給与の「前払い」とは?

給与の「前払い」とは、給料日以前に働いた実績に応じて、給与の相当額を受け取れる制度のことです。この金額は企業ごとに任意で設定されていますが、一般的には7割前後が目安となっています。給料日には、事前に受け取った金額との差額が計算され、従業員の銀行口座へ入金されるようになっています。

この前払いとよく混同されやすい例として、「前借り」や「借入れ」などが上げられます。しかし、前払いはあくまで働いた分の給与の範囲から一部の金額を引き出す行為であり、利用者は返済をする必要がありません。また、借金ではないため、利息がつくこともありません。前借りや借入れとはまったく別の行為ということです。

したがって、給与前払いの利用者に対しては、企業側が信用調査などを行う必要がありません。働いた分の給与相当額が、いつでもすぐに受け取れるというイメージです。働いた実績のある従業員であれば、誰でも利用できるようになります。

反対にいうと、働いた実績がない場合には、給与前払いは利用できません。給与前払いで受け取れるのは、自分がすでに働いた分の給与に相当する金額のみ。したがって、働いた日数が浅い場合には、必要な金額を引き出せない可能性もあるのです。このような仕組みは、健全な利用を促しやすいと考えられています。

給与の「前借り」との違い

給与の「前借り」とは、働いた実績にかかわらず、給料日以前に給与を受け取ることです。場合によっては、それまでに働いた実績が不足していながら、給与を受け取ることもあり得るのです。このようなケースでは、従業員が会社にお金を借りたという形になるため、やり取りには注意が必要といえます。

給与の前借りは、前払いのように誰もが利用できる制度として導入されることがありません。特殊な事情がない限り、前借りが認められない場合もあるようです。特に、生活費や友人の結婚式といった出費に対しては、相談のハードルが高くなります。企業としても、これらの事情での対応は認めにくいでしょう。

前借りは、企業として対応するべきかどうか、注意深く判断する必要があります。こういった前借りの事情を踏まえ、給与前払いの制度を導入するのもひとつの手段です。従業員が働いた実績に基づいて行われる前払いであれば、企業側も対応がしやすくなるといえます。

「借入れ」や「カードローン」との違い

「借入れ」や「カードローン」とは、金融機関からお金を借りて、利息をつけて返済するサービスのことです。借りられる金額は、本人の収入や過去の返済履歴などの情報をもとに決められます。ここが給与の「前払い」との大きな違いです。

借入れやカードローンでは、お金を借りている期間に利息が発生します。この利息は、返済期間が延びるにつれて加算されていくのが特徴です。返済が滞るとその分利息がかさみ、悪循環に陥ります。給与の前払いは、こういった借金とは根本的に異なる仕組みであるため、利息が発生しません。

借入れやカードローンで借りられる金額には、上限が設定されています。しかし、使い方によっては自分の経済力以上の金額を借りてしまうリスクがあるため、利用には注意が必要です。自己管理能力の低い利用者の場合、借りすぎによる金銭トラブルに巻き込まれるおそれがあり、問題視されています。

従業員が安心して利用できる前払い制度

前借り・借入れ・カードローンなどと比べて、給与の前払いは従業員が安心して利用しやすい制度といえます。お金の貸し借りが生じないことから、従業員が金銭トラブルに巻き込まれるリスクが少ないためです。導入によって、大切な従業員が健全な暮らしを続け、長く働き続ける環境を支援することにつながります。

その際は、給与前払いシステムの「ADVASA」を導入すれば、企業側の負担なしで運用していただけます。導入や運用に際してかかる費用は無料で、業務負担を最小限に抑えられるのが特徴です。一部のサービスでは企業側に利用料金の負担が発生することが多く、業務負担が生じる可能性もあります。ぜひ「ADVASA」をご検討ください。

給与前払いは、前借り・借入れ・カードローンなどと比べて、利用者の心理的ハードルが低いのが特徴です。福利厚生の一環として導入することで、従業員の定着率の向上をはじめとしたメリットも期待できます。新たな給与支払いの選択肢として前払いを導入する際は、ぜひ「ADVASA」までお問い合わせください。

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給与の「前払い」と「前借り」は似て非なるものです。給与相当額の随時払いシステムの「ADVASA」には、従業員の健全なライフスタイルをサポートする意味合いもあり、導入企業が増えています。この機会に、給与相当額随時払いのサービス内容についてご理解いただけましたら幸いです。