役所や公共施設のキャッシュレス化で利用者の利便性が向上!

身近にある店舗でキャッシュレス決済が導入され、生活がより便利になったのを実感している方も多いのではないでしょうか。今後は民間に限らず、役所や公共施設でもキャッシュレス決済の導入が進む見込みです。

ここでは、役所や公共施設のキャッシュレス事情をご紹介します。利用者の利便性が向上するだけでなく、窓口の業務効率化につながるキャッシュレスの導入について、新たな情報を確認しておきましょう。

役所や公共施設のキャッシュレス事情

国内のキャッシュレス比率が高まりつつあります。2020年に経済産業省から発表された資料によれば、国内のキャッシュレス比率は上昇傾向にあり、現状は2割前後を推移しています。今後は2025年までに4割前後を目指し、最終的には世界最高水準である8割前後を目指すと宣言されている状況です。

そんななか、役所や公共施設でも徐々にキャッシュレス決済が導入されています。現状では、主に民間を中心として幅広い支払いのシーンに活用されているキャッシュレス決済。一方で、役所や公共施設にも日々さまざまな支払いの場面があり、キャッシュレス決済の導入により利便性の向上や業務効率化が期待できます。

たとえば、これまでは印紙を購入していた場面も、デジタルマネーでの支払いに変われば、手続きの手間や小口現金を取り扱うコストの削減が期待できるでしょう。税金や公共料金の支払いも、オンラインでのキャッシュレス決済が可能になれば、銀行振込やコンビニでの納付を行う必要がありません。

役所や公共施設にまでキャッシュレスが普及すれば、国内のキャッシュレス比率がより高まり、そして役所関係の手続きがさらに便利になるはずです。今後、役所や公共施設のキャッシュレス化がますます進められていきます。

※参考:経済産業省「キャッシュレスの現状及び意義」20201

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/image_pdf_movie/about_cashless.pdf

役所や公共施設がキャッシュレス化するメリット

現金による支払いは、その場で手続きが完了し、即時性があるのがメリットです。一方で、キャッシュレス決済の導入で、現金払いのデメリットを軽減できる可能性があります。具体的には、どのようなメリットが期待できるのでしょうか?

たとえば、オンラインでデジタルマネーによる支払いができるようになった場合、窓口の営業時間外かつ窓口以外での支払いにも対応しやすくなります。平日の日中に手続きの時間を確保するのが難しい方でも、時間や場所を問わずに利用可能です。

また、役所や公共施設では現金を取り扱うコストや、事務対応のコストが削減されます。特に郵便為替や切手は換金や計算に手間がかかりやすいため、キャッシュレス化することで業務効率化が期待できるでしょう。

経産省がキャッシュレス化のモニター自治体を募集

2020427日、経済産業省はキャッシュレス化の「モニター自治体」として選定された29の自治体を発表しました。モニター自治体は、東京都台東区・中野区・八王子市をはじめとした首都圏の自治体のほか、全国各地に点在しています。今後、役所や公共施設のキャッシュレス化へ積極化に取り組む予定です。

モニター自治体では、一般社団法人キャッシュレス推進協議会の「キャッシュレス決済導入手順書(初版)」に基づいて、キャッシュレス決済手段や導入端末を決定したうえで、導入を進めていきます。各モニター自治体が蓄積したノウハウや、新たに発見した課題などは全体に共有され、手順書に反映される仕組みです。

手順書の内容がより充実すれば、将来的には全国の自治体へとスムーズにキャッシュレスを導入しやすくなります。このとき、役所や公共施設のキャッシュレス化に用いられるのが、QRコードの統一規格である「JPQR」です。

JPQRを利用した決済方法の特徴

JPQRとは、QRコード決済の統一規格です。QRコード決済には、店舗提示型と利用者提示型の種類があります。店舗または利用者のいずれかがQRコードを提示し、もう一方が端末で読み取ることで決済を行うのが特徴です。このうち、店舗提示型は役所や公共施設でも導入が開始され、今後に普及を目指すといわれます。

JPQRの導入例として挙げられるのは、群馬県富岡市にある世界文化遺産「富岡製糸場」です。同施設では、入場料の支払いでキャッシュレスを選択できるようになりました。ほかにも、長野県高森町にある子育て支援センター「あったかてらす」、愛知県東郷町「東郷町役場」などがキャッシュレス払いに対応しています。

役所での各種手数料の支払いや、施設の入場料および利用料金の支払いに、キャッシュレス決済が導入されつつあります。JPQRを利用してキャッシュレスに対応する役所や公共施設は、今後も増えていくでしょう。

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国内のキャッシュレス化推進へ向けて、役所や公共施設でもキャッシュレスが導入されています。デジタルマネーによる給与払いが解禁されれば、より幅広いサービスがキャッシュレス化されるかもしれません。利便性の向上や業務効率化につながるキャッシュレスは、公共の窓口においても注目が集まります。