キャッシュレスは無駄使いしやすい?デジタルマネーと家計管理の変化

現金とデジタルマネー。どちらも同じお金ですが、「キャッシュレスは無駄使いをしやすい」といわれることがあります。一体なぜキャッシュレスは使い過ぎにつながると考えられているのでしょうか?

ここでは、デジタルマネーと家計管理についてお伝えします。ご家庭での新しいお金の管理方法を模索しましょう。

キャッシュレスが使い過ぎにつながるといわれる理由

キャッシュレス決済では、自動的に支払いの履歴が記録されます。上手に利用すればお金の使い過ぎを防ぐために役立てられますが、一方でデジタルマネーは使い過ぎにつながるという考え方も。なぜ無駄使いが心配されるのでしょうか?

まずは、キャッシュレス決済でお金の使い過ぎが懸念される主な理由をご紹介していきます。

お金を使っている実感が伴わないため

キャッシュレス決済では、お札や硬貨のような実体がない、デジタルマネーを使用します。実体がないと、同じ金額でも現金のほうが金額に重みを感じやすい方もいるようです。たとえば、目の前にある1万円札と、スマホの画面に表示した10,000というデジタルマネーの数字。これらの価値に少なからず違いを感じる方もいます。

自分の財布から1万円札がなくなっても、スマホの画面に残高の数字が表示されても、支払った金額に変わりはありません。しかし、デジタルマネーの金額に重みを感じられなければ、出費を抑えようという自制心がはたらきにくくなることも…。結果として無駄使いをしやすくなってしまうのです。

使い過ぎにつながりやすい機能があるため

一部のキャッシュレス決済には、便利な反面お金の使い過ぎにつながりやすい機能があります。家計の管理が苦手な方にとっては、活用が難しいこともあるようです。

たとえば、電子マネーのオートチャージ機能は、残高が少なくなったタイミングで自動的にチャージされる便利な機能です。その一方で、予算を超えても残高がチャージされてしまうため、使い過ぎにつながりやすいと考えられます。

また、後払い方式のポストペイは、利用限度額の範囲内であれば高額の利用が可能です。さらには支払い能力に合わせて分割払いにも対応できます。常に現金を多めに持ち歩く必要がないのは便利ですが、使い過ぎが懸念されます。

複数の支払い手段の総額がわかりにくいため

キャッシュレス手段には多くの種類があり、店舗により異なる方法で決済することがよくあります。複数の支払い手段を組み合わせて利用している方も少なくないでしょう。だからこそ、総額でいくら使ったのかが見えにくいのが難点です。

現在はキャッシュレス化の過渡期であり、キャッシュレスと現金を併用している方も多い状況です。複数のキャッシュレス手段と現金を合わせていくら使ったのか、総額を把握していなければ、いつの間にかお金を使い過ぎているかもしれません。

無駄遣いを防ぐキャッシュレス手段の使い方

キャッシュレス決済によって起こり得るお金の使い過ぎは、どうしたら防げるのでしょうか。まずは、使用するキャッシュレス手段の数を最低限に絞り込むことが大切です。できるだけ支払いの総額を把握できる状態を整えましょう。

また、あえてキャッシュレスの機能を制限するのもひとつの手です。お金を使い過ぎる傾向にある方には、プリペイド(前払い式)やリアルタイムペイ(即時払い式)のキャッシュレス手段をおすすめします。また、予算をオーバーするのを避けるために、オートチャージを設定しない方法も有効でしょう。

さらに、デジタルマネーを家計簿アプリと連動させて、家計の収支を“見える化”しておくと安心です。キャッシュレス決済を利用すると家計簿に自動で金額が入力されるため、従来の家計管理よりも手間を省けるかもしれません。

キャッシュレスの浸透で家計管理が変わる!

自動的に支払いの記録が残るキャッシュレスには、お金の動きが正確に見えるというメリットがあります。一般的にはお金の使い過ぎにつながるといわれますが、使いようによって精度の高い家計管理ができる可能性があるのです。たとえば、デジタルマネーと家計簿アプリを連動させれば、自動で家計簿をつけられます。これまで家計簿をつけていなかった方も、キャッシュレス化の機会に挑戦してはいかがでしょうか?

デジタルマネーで健全な家計管理を心がけましょう

キャッシュレスに合わせてお金の管理方法も変えてみましょう。デジタルマネーに最適な管理方法に切り替えれば、現金と同等やそれ以上に使い過ぎを防ぎやすくなります。今後、ペイロールカードを利用した給与デジタルマネー払いが解禁されれば、多くの家庭でデジタルマネーの家計管理が求められるでしょう。健全な家計を維持するために、お使いのキャッシュレス手段に合わせた節約方法をご検討ください。

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現金よりも便利な側面を持つキャッシュレス手段。しかし、現金の感覚で使い続けると、人によっては無駄使いにつながるおそれがあります。デジタルマネーならではの節約方法を身に着けて、これからの家計管理にお役立てください。